フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol1
遺言書が残されていると、たとえ自分が法定相続人であっても相続できなくなってしまうことがあります。また、相続できるとしても、ほんの少しになってしまうこともあるので、「納得できない!」と感じる方が多いものです。
そんなとき、一定の範囲の相続人には「遺留分」が認められるので、遺産の一部を取り戻せる可能性があります。
今回は、一定の範囲の法定相続人に認められる「遺留分」について、元弁護士のライターぴりかが解説します!
1.遺留分とは
「遺留分」と言われても、あまり耳なじみのない方が多いかも知れません。
これは、兄弟姉妹以外の法定相続人に認められる、最低限保証された遺産の取り分だと考えてもらったら良いです。
たとえば、父親が亡くなったとき、遺言が残されていて「愛人にすべての遺産を渡す」と書いてあったら、妻や子どもは大きなショックを受けますよね?
当然「納得できない」、「遺産を返してほしい!」、と思うはずです。
そんなとき、最低限保証される「遺留分」の限度で、遺産を取り戻すことができるのです。
法律上、遺留分が認められるのは「兄弟姉妹以外の相続人」です。
つまり、配偶者や子ども(場合によっては孫やひ孫)、親(場合によっては祖父母)が相続人になるときに、遺留分が認められます。
2.遺留分を請求する方法
それでは、遺留分を返してもらいたいとき、具体的に何をしたら良いのでしょうか?
この場合、まずは「内容証明郵便」によって、「遺留分減殺請求通知書」という請求書を送る必要があります。
内容証明郵便は、郵便の一種で、郵便局が内容を証明してくれるものです。差出人と郵便局に、相手に送ったのとそっくり同じ文書が残るので、後に裁判になったときにでも利用することができます。
遺留分減殺請求で内容証明郵便を推奨するのは、遺留分減殺請求権に時効があるからです。
時効前に確実に請求したことを明らかにするためには、内容証明郵便がもっとも適切です。
内容証明郵便を送ったら、後は相手(遺留分侵害者)と話合いをして、遺留分を返してもらう方法を決定します。
折り合いがついたら、合意書を作成して、遺留分を返してもらいます。
通常は、現物返還よりもお金で返してもらうことの方が多いです。不動産などを部分的に返してもらうと、遺留分侵害者と遺留分請求者が不動産を共有することになってしまい、更なるトラブルの要因になることなどもありますし、お互いに気分が良くないからです。
遺言があったケースだけではなく、死因贈与や一定の生前贈与の場合でも、遺留分請求ができます。遺産相続の際の参考にしてみてくださいね!
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