離婚・男女問題

妻の浮気で離婚!父親が子どもの親権をとる方法とは?元弁護士(女性)が解説

「嫁が浮気してるかも!絶対に許せん!」
「子どもだけは絶対に手放さない!」
「浮気してる妻には関心が無いけど、親権は譲れない」

妻が浮気したら、夫としては「許せない」という気持ちになるでしょう。私もよく現役時代、夫側からのご依頼を受けて浮気・離婚問題を解決していましたので、お怒りはよくわかります。

問題になるのは、夫婦に子どもがいるケースです。今は子煩悩なパパが増えており、「妻が浮気したのだから絶対自分に親権が認められる」と考える父親もたくさんいらっしゃるのですが、実際にはそういうわけにもいきません。

今回は、妻の浮気で離婚するときに夫が親権を持つ方法をご説明します。

1.妻が浮気したときに知っておきたい親権者の判断基準

夫婦が離婚するときには、必ず子どもの親権者を決めないといけませんが、そもそも親権者はどのようにして決めるものかご存知でしょうか?

協議離婚や調停離婚の場合なら、夫婦が話し合って決めます。しかし妻が浮気している場合でも、妻は「絶対に親権だけは譲らない」と強く主張するケースが多いです。

そうなると、協議離婚や調停離婚では離婚できず、離婚訴訟しなければなりません。

離婚訴訟では、裁判所が親権者を決定します。そのとき、考慮されるのは以下のような事情です。

  • これまでの養育実績
  • 子どもとの現在の関係が良好かどうか
  • 離婚後、どれだけ子どもと過ごせるか
  • 住環境
  • 子どもの年齢
  • 経済力
  • 監護補助者の有無
  • 子どもが乳幼児の場合には母親を優先

上記を見ると、妻側にとって有利な点がとても多いのです。夫(父親)は不利ですよね。

まず、養育実績としては、子どもが赤ちゃんの頃から主に妻が面倒を見てきたというケースが多いです。

また、妻は子供と1日一緒にいたりして子どもとの関係が良好であることが多いです。

離婚後も、妻はパートなどでしか働かず、子どもと一緒に過ごせる時間がたくさん作れます。

特に子どもが乳幼児の場合、ほとんど問答無用で母親に親権が認められます。

つまり、夫に有利なのは経済力くらいしかありません。しかし経済力は「単なる一事情」くらいにしか評価されないので、経済力が高いからと言っても裁判所は夫に親権を認めないのです。

母親の収入が低い場合、夫が養育費を支払うことによって妻子の生活を維持できればいい、というのが裁判所の本音であり、主流の考え方です。
親権をとるためには弁護士に相談

2.妻が浮気しても夫ではなく妻が親権者になる?

さらに問題なのは、不倫したからと言っても親権の問題であまり不利にならないことです。つまり、妻が不倫して離婚になったとしても、妻に親権が認められる可能性が高いということです。このようなことは一般常識からすると信じられないかもしれませんが、事実です。

確かに浮気・不倫がよほど悪質で、モラルのない母親に子どもを預けると子どもの健全な成長が期待できない場合などには夫に親権が認められやすくなりますが、母親が

「浮気相手とはもう別れた」

「反省しているし、子どもは私ひとり(実家に戻って)しっかり育てる」

などと裁判で主張すると、裁判所はコロッとだまされて夫ではなく母親に親権を認めてしまいます。

とんでもないですよね!


3.妻が浮気したときに夫が親権をとるには「浮気の証拠」が必要

それでは、妻が不倫したときに夫が親権をとるにはどうしたらよいのでしょうか?

まず、妻の浮気を明らかにする必要があります。

いくら夫が

「妻の浮気が原因で離婚になった」

と主張しても、証拠がなかったら裁判所は認めてくれないからです。

また、妻の浮気の実情が悪質であることを証明しなければなりません。具体的には、妻が離婚前から浮気相手の男性と一緒に住んでいたり、浮気相手と子どもを会わせていたりすると、裁判所は「浮気が悪質」と考えます。特に、離婚前から実の父親(夫)を無視して、子どもと浮気相手の男性を会わせて手なずけようとすると、「子どもを混乱させる行為」としてかなり妻に不利に評価されます。

最近では再婚相手や母親の同棲相手が子どもを虐待して死なせる痛ましい事件なども実際に起こっていますよね。ああいうのを見ると、本当に子どもが心配になります…。

なので、裁判所も事の重大性には配慮しており、注意して見ています。

そこで、夫側の立場としては、子どもの親権をとるために妻の浮気の証拠を獲得することが大切です。妻が浮気をしていて、子どもと浮気相手を交流させている事実などが明らかになったら、裁判所も妻ではなく、夫に親権を認めてくれるでしょう。

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4.夫が親権をとるための妻の浮気の証拠の集め方

それでは、夫が親権をとるために妻の浮気の証拠を集めるにはどうしたらよいのでしょうか?

まずは、以下のようなものをなるべく自力で集めましょう。

  • 妻と浮気相手のメール、SNSなどのやり取り
  • 妻や浮気相手のブログで、不倫をにおわせるようなもの
  • 妻や浮気相手が写っている写真
  • 妻の日記帳、手帳、スケジュール帳
  • 相手からプレゼントされたアクセサリーなど
  • 妻の交通ICカードやETCカードなどの記録
  • 妻と浮気相手の通話明細書

 

法律上、浮気や不倫のことを「不貞」と言いますが、不貞と言えるためには妻と浮気相手の肉体関係が必要となるので、なるべく肉体関係がわかるような資料を集めることが大切です。

ただ、上記のようなものを集めても、妻と浮気相手の肉体関係を証明できないことがありますし、妻が子どもを浮気相手に会わせていることを証明することも困難なケースが多いのが現実です。

そのような場合には、探偵事務所に依頼して、妻の行動調査をすることも検討してみましょう。

探偵事務所が妻を尾行すると、子どもと浮気相手を会わせているところをつかめる可能性がありますし、妻が子どもを連れて、浮気相手と一緒に住んでいることが明らかになるケースなどもあるからです。

探偵事務所に相談する時には、親権に争いがあって裁判で妻と浮気相手の不倫関係を証明したいということや、浮気相手と一緒に過ごしている妻の環境は子どもにとって不適切であることなどをはっきり伝えましょう。

一般的に、探偵事務所というと怪しいイメージやぼったくりのイメージもありますが、今回ご紹介するのは弁護士が運営している探偵事務所です。弁護士は、社会的な責任を負っており、不当なことをすると懲戒処分も受けるので、信頼できるでしょう。無料で相談を受け付けているので、よかったら問合せをしてみてはと思います。
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5.妻の不倫で夫が自ら浮気調査する危険性

妻が子どもを浮気相手に会わせていることを証明すれば良いと言いましたが、このようなことを言うと、あなたはもしかして

「自分で証拠を集めたら良いのでは?」

と考えるかもしれません。

確かに探偵事務所に依頼すると費用もかかりますし、夫が自分で後をつけた方が手っ取り早そうですよね。

しかし、自分で浮気調査をするとかなり大きなリスクをともないます。

まず、バレる可能性が高いです。相手をつけていて感づかれると、相手方らは警戒するようになるので、その後有効な証拠を手に入れるのはかなり困難になってしまいます。

また、尾行中に相手と鉢合わせするなどしてトラブルになる可能性があります。浮気相手の顔を見ると、どうしても感情的になって言い争いになってしまったり、場合によっては暴行事件に発展してしまったりします。

そのようなことになったら、裁判所は

「こんな粗暴な父親(夫)には子どもを任せられない」

と判断するので、あなたの方が、かえって不利になってしまいます。

そこで、妻の浮気調査をするならば、やはりプロの探偵事務所に依頼した方が得策です。
実際、私の現役時代も、自分であるいは親族に頼んで相手の跡をつけた方で、浮気の証拠入手に成功した人はほとんどいません。
やはり、きちんと探偵事務所に依頼した方が、証拠をつかんで親権も手にしていました。

夫が確実に子どもの親権をとるための経費と思えば、探偵事務所に支払うお金は高くはありません。それに、かかった探偵事務所の費用以上の慰謝料を嫁に請求することもできます。お金のことを心配するよりも、思い切って、一度、相談してみてくださいね。
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6.妻が浮気したときに夫が親権をとるには「子どもを離れない」

もう1つ、夫が子どもの親権をとりたいときに重要なことがあります。それは、子どもと絶対に離れないことです。

離婚の話し合いをすすめるとき、特に妻が浮気していたら妻と別居することが多いのですが、このとき妻が子どもを連れて出ていったり、夫が自分一人で出ていったりすると非常に不利になります。裁判所は、離婚時の「現状」を評価するからです。

離婚時に子どもと一緒に暮らしていて、子どもが落ち着いて生活しているのであれば、そのまま子どもの環境を変えずに一緒に暮らしている親を親権者に認定してしまうのです。

そこで、妻が出ていくなら一人で出ていってもらうべきですし、あなたが家を出るなら必ず子どもを連れて出ましょう。

以上が、妻が浮気したときに夫であるあなたが子どもの親権をとる方法です。まずは妻と不倫相手の確実な浮気の証拠をつかむところから始めると良いでしょう。

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また、夫が子どもの親権を獲得するには、弁護士の力を借りる方が確実性が高まります。
確かに自分で離婚交渉や調停をすることも可能ですが、弁護士に依頼している方が、調停委員を味方につけやすいので、明らかに子どもの親権をとりやすくなります。また、裁判で親権を争うときには、弁護士によるサポートが必須です。弁護士なしで裁判をしても、負けてしまうだけです。

夫が親権を持つのは妻よりも難しい面があるので、特に離婚や男女問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。男性(夫側)が親権をとることに理解のある、親身になって話を聞いてくれる離婚弁護士を選びましょう。
弁護士の知り合いがいない方も多いと思いますが、ネット上で簡単に無料で離婚問題に強い弁護士を探せる検索サービスがあります。最近はみなさんこういった方法で弁護士を探されているので、あなたもよかったら利用してみて下さい。

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最後に、あなたが子どもさんの親権をとれることを、心から願います。現在の裁判所の運用では、男性が親権をとるのはハードルが高くなっていますが、適切に行動すれば父親でも親権を獲得できるものです。私も弁護士時代、多くの男性の方の弁護を行って、親権を勝ち取った経験があります。

夫でも親権を持つことは出来るので、辛くても、一歩一歩前に進み、あなたとお子様の暮らしを守ってくださいね。成功を心よりお祈りしています。

ABOUT ME
福谷陽子
弁護士としての経験を活かして、法律・不動産の専門記事を執筆。多くの法律事務所様や不動産会社様、法律・不動産系メディア様からご依頼をお受けしております。 難しい法律や税務、不動産の知識をわかりやすく伝えるのがモットー。 何より目指すのはお客様の利益です。

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