フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol1
「旦那と離婚するとき、どのようなことを決めておいたら良いの?」
「旦那から十分な慰謝料をもらえるだろうか?」
「シングルマザーになって生活していける?仕事はどうしよう?」
離婚して子どもを引き取ることになったら、不安になるのは当たり前です。
看護師の方は、手に職があるので再就職を考えることも多いですが、子どものためにも良い職場を選びたいですよね。
私は、弁護士時代離婚事件に主に注力していましたが、看護師の方からの依頼も多かったです。みなさま事件が解決された後は、しっかり看護師に復職して立派にお子様を育てておられる姿を間近で見ていました。
今回は、元弁護士の私の立場から、看護師が離婚してシングルマザーになるときに知っておきたい知識をご紹介します。
1.離婚時に決めるべき事項
離婚をするときには、まずは旦那と話合いをして合意をした上で、「離婚届」を作成して市町村役場に提出します。この方法を協議離婚と言います。
協議離婚の場合には、必ず子どもの親権者を決めなければなりません。
親権者以外のことは決めなくても離婚できるのですが、後々のトラブルのため、以下のような事項についても取り決めておきましょう。
- 財産分与
夫婦の共有財産をどのようにして分けるかということです。一般的には夫婦が2分の1ずつにします。ただ旦那の浮気で離婚する場合などには、妻が多めにもらってもかまいません。慰謝料代わりに子どもと一緒に住むための家をもらうことなども可能です。
- 慰謝料
旦那が浮気した場合や旦那からDVを受けていた場合などには慰謝料を支払ってもらえます。
慰謝料には相場の金額があるのでそちらを参考にして決定しましょう。
たとえば浮気の慰謝料の相場は100~300万円程度です。
- 親権者
子どもの親権者は絶対に決めないと離婚できません。離婚を切り出すと、旦那が突然「親権を譲らない」などと言ってくることもあるので注意が必要です。
- 養育費
子供の養育費も決めておくべきです。裁判所の定める相場の金額があるので、こちらを利用しましょう。看護師の場合には旦那が医師なことも多いですが、旦那が高収入で通常の算定基準があてはまらない場合には、個別の検討が必要です。
- 年金分割
旦那が勤務医の場合や会社員、公務員の場合には年金分割を受けられます。忘れずに取り決めておきましょう。
- 面会交流
離婚後、子どもと旦那の面会交流についても取り決めておくことができます。
2.離婚協議書は公正証書にする
離婚条件が決まったら、必ず離婚公正証書の形にまとめましょう。
離婚公正証書にすると、元旦那が養育費や財産分与などを不払いになったとき、裁判や調停をしないでいきなり差し押さえをすることができるからです。
また、このことにより、旦那に「支払わないと差し押さえをされる」というプレッシャーをかけられるので、旦那が自ら支払いをするようになる効果もあります。
公正証書を作りたいときには、お近くの公証役場に行って申込みをしましょう。
3.旦那ともめたら調停・訴訟になる
離婚するとき、基本的には話合いによって協議離婚すると良いのですが、話合いでは解決できないこともあります。
特に旦那が高収入な医師などのケースでは、財産も多いので財産分与でもめやすいですし、養育費や慰謝料の金額も定めにくく、トラブルになりやすいのです。旦那によっては、これまで子どもに無関心だったにもかかわらず、離婚話が出ると突然「子どもは渡さない」などと言い出すこともあります。
そのようなときには、離婚調停によって解決する必要があります。調停を利用すると、調停委員が間に入って話し合いを進めることで、離婚が成立するケースも多いです。
調停でも解決ができなければ、離婚訴訟を申し立てます。訴訟で勝つためには、法的な主張を組み立てて綿密な証拠を集める必要があります。
素人の方が1人で裁判を進めるのは難しいので、必ず弁護士に依頼しましょう。
弁護士を探すときには、離婚専門の弁護士を選ぶべきです。弁護士にもいろいろな得意分野があるので、離婚や男女問題に積極的に取り組んでいる人に依頼しましょう。
こちらの無料で弁護士を検索できるサイトを使って、離婚専門の弁護士を探してみて下さい。
もしも浮気の証拠を揃えたくて探偵事務所を探しているなら、こちらの弁護士が運営している探偵事務所を使うと安心です。運営者が弁護士なので変なことはしないですし、相談料も無料なので、一度問合せをしてみてください。
4.離婚後の生活について
看護師が子どもを引き取ってシングルマザーになる場合、離婚後の生活も心配です。以下で、受けられる行政給付や看護師の復職について、解説します。
4-1.行政給付
まずは、児童手当や児童扶養手当などの行政給付を確実に受けましょう。
子どもが障害を持っている場合には、障害児童の特別児童扶養手当てを受けることも可能です。
また、住宅費の補助や医療費補助なども受けられますし、水道料金が減免されるケースもあります。まずは、お住まいの自治体に相談に行くと良いでしょう。
ただ、行政給付には所得制限があるものが多く、看護師の場合には、仕事に復帰して収入を得ると、上記の手当が少なくなったり受けられなくなったりする可能性があります。
4-2.看護師への復職について
それでは、看護師として復職しない方が良いのでしょうか?
私は、弁護士時代たくさんの看護師さんの離婚事例を扱ってきましたが、そのようなことはないと考えています。みなさま、離婚協議中や離婚後に看護師に復職しておられました。
実際、看護師の収入の方が、上記の手当の収入よりずっと多くなりますし、子どもと自分の生活を支えていくには、やはり看護師として復帰した方が絶対に楽です。
子どもにも「ママが頑張って生活を支えている姿」を見ながら成長してもらいたいものです。そのようなママの背中を見て育った子どもはママに対しても思いやりを持ちますし、自主的な努力を惜しまない立派な人に成長するでしょう。
じゃあ、どうやって看護師の就職先を探せば良いのでしょうか?
今の時代、何でもネットのサービスがあるもので、看護師専門の転職エージェントという非常に便利なシステムがあります。これを利用すると、1人に1人の専門コンサルタントが付いて、適切な就業先の医療機関を探してくれます。
対象の病院に問題がないかなどのチェックや調査もしてくれますし、労働条件などの交渉も任せられるので安心です。
これだけサービスが充実しているのに、登録や利用は無料です。その上、就職が決まったら最大40万円ものお祝い金をもらえるので、お得としか言いようがありません。離婚後看護師に復帰するなら、是非とも利用してみることをお勧めします。
自分で就職先を探して交渉するよりも、良い条件の就職先が見つかります。
5.離婚する看護師のあなたへ贈りたい言葉
看護師が離婚するときには、さまざまな問題を抱えますし、精神的にもきつくなります。すべて投げ出したいと思ってしまうこともあるでしょう。
そんなとき、ふと深呼吸をして、立ち止まってみて下さい。そして落ち着いたら、また1つ1つ進めていけば、その先にはきっと素敵な人生が待っています。
私は元弁護士で離婚事件を数多く解決してきましたが、みなさま当初のご相談の際には辛くて死にそうな顔をして私と目も遭わせてくれませんでした。しかし、解決したときには明るい顔をして前を向き、ニコニコ笑っておられました。信じて歩いて行けば、きっと未来は開けます。実体験にもとづくので、きれい事ではありません。
あなたとお子様の離婚後の生活がうまくいくように心からお祈りしています。
離婚の際には弁護士の力を、そして復職の際には看護師の転職エージェントの力を、上手に活用してみて下さい。
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