フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol1
「不倫サレた…。浮気相手を絶対に許せない!苦しめたい!」
「刑務所に行ってほしい。処罰できないの?」
「不倫は有罪にならないって聞いたけど、嘘でしょう?」
パートナーに不倫・浮気されたら、「絶対許せない」と思いますし、相手を懲らしめたいと考えるのも当然です。
不倫相手に刑事罰を与えたり有罪認定してもらったりして苦しめることはできるのでしょうか?
今回は、浮気相手を処罰する方法について、元弁護士の立場から解説します。
1.不倫は犯罪ではない
「旦那が不倫しているっぽい…」と感じたら、多くの方は焦りますし、中にはパニック状態になってしまう方もおられます。
嘘だと信じたいけれど、旦那のスマホやPCを見たら証拠のメールや写真がどんどん出てきてもはや現実逃避できなくなってしまったら、不倫相手の女が憎くなるものです。
「どうしても処罰して欲しい」「刑務所に行って欲しい」と思うのも当然ですよね。
しかし日本の法律では、不倫は犯罪ではありません。そこで、不倫相手の女を逮捕してもらったり、刑事裁判にかけて懲役刑や罰金刑などを適用してもらったりすることはできないのです。
もしもサレ妻(不倫された妻)が自力で不倫相手の女性に復讐しようとして、不倫相手の女性の自宅や会社に怒鳴り込みに行ったりネット上で悪口を書き散らしたりすると、自分に名誉毀損罪などの犯罪が成立してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
不倫されたのに自分に犯罪が成立するかも知れないなんて、法律って、不合理ですよね…。
2.不倫相手を苦しめる方法は、慰謝料請求
それでは、不倫されたとき、相手を苦しめることはできないのでしょうか?
そんな不合理なことはありません。不倫には刑事上の処罰はありませんが、違法行為であることには違いがないからです。
不倫をすると、民事上の「不法行為」が成立します。不倫すると、サレ妻、サレ夫などの被害者に大きな精神的苦痛を与えるからです。
そこで不倫されたら、旦那の不倫相手に慰謝料請求することができます。
3.不倫相手に慰謝料を請求する方法
では、慰謝料はどのようにして請求したら良いのでしょうか?
3-1.不倫相手を突き止めて証拠を揃える
まずは、不倫相手がどういう人か確認する必要があります。相手がどこの誰かわからなければ、慰謝料請求書を送ることもできないからです。
相手が判明したら、不倫の証拠を揃える必要があります。
証拠がないのに慰謝料請求しても「不倫なんてしていません」と言われるだけだからです。そうなったら、サレ妻の被害妄想だと言われて、旦那と不倫相手にバカにされるか、旦那から慰謝料なしで離婚を強要されたりするおそれがあります。
不倫相手の女性を調べたり浮気の証拠をつかんだりするには、探偵事務所の調査が有効です。
探偵に依頼すると、相手を尾行して勤務先の会社や自宅、氏名などを突き止めてくれますし、旦那と浮気相手が一緒にホテルに入ったり浮気相手の家に宿泊したりするところをビデオや写真に収め、詳細な報告書を作成してくれます。
探偵事務所の調査報告書は裁判でも利用できるので、不倫相手が慰謝料支払いに応じなかったり慰謝料支払いの話合いがこじれたりした場合にも利用価値が高いです。
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また、弁護士に相談すると、弁護士法23条照会という方法で、不倫相手の電話番号やメールアドレスから相手を突き止めることも可能です。
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不倫の証拠としては、他にメールや写真、領収証や電話の通話履歴なども有効です。
ただし、「肉体関係」を証明できるものを集める姿勢が必要です。不倫で慰謝料請求するためには、配偶者と不倫相手の肉体関係が必要だからです。一般的な感覚とは異なりますが、単にデートしていたりキスしたりしているだけでは慰謝料請求はできないと考えましょう。
3-2.不倫相手を懲らしめるには、内容証明郵便で請求する
証拠を集めたら、内容証明郵便を使って相手に請求書を送り、引き続いて慰謝料についての話合いを行います。
合意ができたら、「合意書」を作成して、相手から慰謝料を振り込んでもらいましょう。
合意しても約束を守らない相手もいるので、入金を確認することも重要です。
3-3.不倫相手に裁判を起こすなら弁護士に相談を
話し合いによっては解決できない場合、慰謝料請求訴訟を起こす必要があります。その場合には、弁護士に依頼しましょう。
不倫相手を許せないと思ったとき、犯罪にはならないので刑事罰を与える事は困難です。
その代わりにしっかり慰謝料請求をしてペナルティを与えましょう。
証拠がないならまずは探偵事務所に相談をして、法的な手続をとるのであれば弁護士に相談するところから始めることをお勧めします。
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