フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol1
会社設立や起業しようという場合、資金調達が重要です。起業そのものにもお金がかかりますし、起業後の運転資金も必要になるからです。
創業時に資金を調達する方法にはいくつかの種類があるので、上手に使い分けると賢く起業ができるので、おすすめですよ!
そこで今回は、起業の際の資金調達方法について、元弁護士のライターぴりかが解説します。
1.自己資金
資金調達方法として、まずは自己資金があります。
起業前に自分でお金を貯めて、それを使って起業を行います。自己資金を使うと、起業後に返済を行う必要もありませんし、他者に経営参画されることもないので、経営の自由度も維持できます。
ただ、起業の際の資金を全額自己資金で用意するのは簡単ではありません。また、自己資金をつぎ込みすぎると、起業後の生活などに困るケースもあります。
自己資金で起業する場合には、手元にもいくらかお金を残しておく必要があり、足りない部分は別の資金調達方法を利用すべきです。
2.借り入れ(融資)
起業の際の自己資金調達方法として多く用いられるのが、融資です。
融資とは、借り入れをすることです。
ただ、ひと言で融資と言っても、借入先によってかなりの違いがあるので、以下でご説明します。
2-1.親族や友人などからの個人的な融資
借り入れを行う場合には、自分の親や親族、友人知人などから個人的な借り入れを行う場合があります。このようなケースでは、契約内容を相手との間で自由に定めることができます。
たとえば、親から借り入れを行う場合などには、返済期限や利息についてかなり柔軟に対応してもらうことが可能ですし、場合によっては出世払いなどの方法もとることができます。そうであれば、起業後会社が回転し始めるまでの間、支払いを待ってもらえたりするので助かります。
友人からの借り入れでも、契約内容はフレキシブルに定めることが可能です。
ただ、こうした人間関係を前提とした借り入れをしてしまうと、返済ができなくなったときに人間関係が壊れてしまったり、場合によっては金融機関から借りるよりも大きなトラブルが起こってしまったりすることもあります。
2-2.公庫からの融資
創業の際によく利用される借り入れ(融資)としては、日本政策金融公庫からの融資があります。
日本政策金融公庫は政府系の金融機関ですが、創業後まもなくあまり信用のない経営者などにも広く貸付をしてくれるので、起業時や起業後にお世話になる機会が多いです。
創業時には、新創業融資制度を利用することができて、最高1000万円までの借り入れが出来ます。無担保無保証で借り入れが出来るので、代表者が個人保証をする必要がなく、たとえ会社の経営に失敗しても、代表者個人の財産までなくなるおそれがありません。審査期間が短く、2~3週間程度で融資の決定がおりる点もメリットです。
利率は年1.25~3%となっており、地方自治体の制度融資より高額になることがあります。
2-3.制度融資
起業の際には、制度融資という融資を利用することも多いです。制度融資とは、地方自治体が行っている融資制度であり、信用保証協会による保証をつけてお金を借りることができます。民間の金融機関と提携してのサービスなので、申込は民間の金融機関に対して行います。
制度融資の場合には、行政が補助をしてくれるので、利率が1%以下になることも多い点が最大のメリットです。
ただ、審査には比較的時間がかかり、2ヶ月程度を見ておいた方が良いですし、基本的に代表者による個人保証が必要になります。
起業の際に公的な融資を受ける方法としては、この日本政策金融公庫による融資と制度融資を比較して、よりよい方を選択するか、両方を利用することをおすすめします。
2-4.銀行
起業の際に利用できる融資には、銀行融資も考えられます。ただ、民間の銀行は、信用のない相手にいきなり高額な貸付はしてくれないのが普通です。
そこで創業したての場合、銀行ローンは利用しにくいことが多いです。
3-5.消費者金融やビジネスローン
融資によって資金調達する方法としては、消費者金融やビジネスローンを利用する方法もあります。ただ、これらを利用すると、高い利息がかかるので、経営を圧迫するおそれが高く、おすすめではありません。
3.投資
資金調達方法としては、投資を受ける方法もあります。
たとえば株式を発行するなどの方法です。投資されたお金は返済しなくてもかまいませんが、その分経営権を渡さなければならない点に注意が必要です。
投資を受けすぎると、起業後に自分で自由に経営ができなくなり、当初の目論見とは外れた方向に進んでしまうおそれもあります。投資を受ける際には、比率をしっかり考えた上で利用しましょう。
4.補助金、助成金
起業の際の資金調達方法には、補助金や助成金を受ける方法もあります。これらは、国や自治体などの行政からお金の支給を受ける方法で、返済しなくて良いことが大きなメリットです。
申請手続きが面倒であったり利用できる条件が限られていたりするデメリットはありますが、上手に利用すると、効果的に資金調達ができます。
以上のように、資金調達方法はかなりたくさんありますし、それぞれ特徴やメリット・デメリットもあります。ケースに応じて上手に使い分けて、起業を成功させましょう!
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