法律問題

バーチャルオフィスの特定商取引法(特商法)にもとづく表記方法!サンプルつき

「バーチャルオフィスを使ったら、普通にオフィスを借りるよりコストダウンできるけど『特定商取引法に基づく表示』ができないのでは?」

「バーチャルオフィスの住所だと、特定商取引法上の住所にならないから違法になるよね?」

バーチャルオフィスを利用すると、通常のテナントを借りる時と比べて10分の1以下でオフィスを開業できることもあり、手持ち資金がない人やリスクをとりたくない人にはとても効果的です。

しかし、ネットショップでは特定商取引法によって「住所や連絡先の表示」が義務づけられています。

今回は、バーチャルオフィスでも特定商取引法にもとづく表示の義務をクリアする方法を、テンプレートつきでご紹介します。

これからネットショップを開業しようとしている方は必読です。


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1.特定商取引法にもとづく表示の内容

ネットショップなどのビジネスをするときには、特定商取引法が適用されます。

特定商取引法は、消費者を守るための法律で、販売業者による広告の規制、販売方法の規制、消費者が契約を取り消せる場合やクーリングオフなどについて定めています。

通信販売をするときには、以下の内容を表示することが義務づけられます。これを「特定商取引法に基づく表記」と言います。

  • 販売価格と送料
  • 代金支払い時期と方法
  • 商品の引渡時期や役務の提供時期
  • 契約申込みの撤回や解除に関する事項(返品特約も含む)
  • 事業者の氏名や名称、住所、電話番号
  • 事業者が法人であってネット上で広告をする場合、販売業者の代表者または通信販売業務の責任者の氏名
  • 申込みに有効期限がある場合、その期限
  • 販売価格や送料以外に購入者が負担する金銭がある場合、その内容おと金額
  • 商品に瑕疵がある場合の販売者の責任について
  • ソフトウェア取引の場合、ソフトウェアの動作環境
  • 商品の販売数量の制限やその他の特別な販売条件
  • カタログなどを送付する際に有料であれば、その金額
  • メールで広告を送る場合、業者のメールアドレス



いかがでしょうか?かなり多いですよね。しかし、ネットショップを経営するときには上記を記載しないと、「業務停止命令」などを受けて商売をできなくなってしまう可能性があるので、必ず法律を守りましょう。

2.バーチャルオフィスと特定商取引法

それではバーチャルオフィスの場合、「業者の名称、住所、電話番号」の欄に何を書けば良いのでしょうか?

バーチャルオフィスを利用するときには、バーチャルオフィスの住所や電話番号などを記載するので、自分の名称や住所などは掲載しないことが通常です。このようにプライバシーを守れることも、バーチャルオフィス利用のメリットの1つです。

それなのに、特定商取引法があったら、自分の氏名や住所などを記載しないといけないなら、バーチャルオフィスを利用するメリットが半減してしまいますよね。

 

2-1.特定商取引法の表示義務の例外とは

実は、特定商取引法には「例外規定」があります。

特定商取引法に基づく表記の中で、業者の名称や住所などの連絡先については「開示請求があればいつでも開示する準備ができている状態」であれば、当初から情報を開示していなくても良いのです。

つまり、バーチャルオフィスの場合には、サイト上にバーチャルオフィスの連絡先を書いておいて「請求があったら販売業者の連絡先を開示します」と書いておいて、実際に問い合わせがあったときには速やかに開示できるように準備しておけば、特定商取引法違反にならないのです。

3.特定商取引法の例外に該当するための要件

特定商取引法に基づく表記の例外に該当するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  • 名称や住所、電話番号などが販売業者自身のものではないと表示する
  • 利用者から請求を受けると、速やかに事業者の名称、住所や電話番号を公開すると書いておく
  • 利用者から要求があったら、速やかに開示できるよう準備しておくこと

 

 

バーチャルオフィスでネットショップを行いたい場合、上記の3点に注意しておけばOKです。


4.バーチャルオフィスで特定商取引法にもとづく表示を行う書式・テンプレート

販売者名(ブランド名):○○○○

住所:〒〇〇〇-〇〇〇〇 東京都大田区○○○-○ 〇〇ビル3階

電話:    03-○○○○-◯◯◯◯(〇〇内総合受付)

 

上記に記載してある販売者の情報は、弊店が契約している事業者のものです。弊店自身の連絡先につきましては、ご利用者様からのお問い合わせがありましたら遅滞なく開示いたします。

開示請求は、メールまたはお電話にて承っております。

メールアドレス:○○@○○.co.jp

お電話頂く場合には、ブランド名と折返しの連絡先をお願いいたします。

 

注意しないといけないのは、サイト上に「お問い合わせがあったら開示します」と記載していても、対応できる準備ができていなければ違法になるということです。

たとえば専用のお問合せフォームなどを作り、問い合わせがあったらすぐに返信できるようにチェック体制を整えておきましょう。

これだけやっていたら、バーチャルオフィスを完全に合法的に利用できます。

バーチャルオフィスを利用すると、オフィス賃貸しなくて良いので、コストを大きく削減できます。

また、自分の氏名や住所を開示しなくて良いので、トラブル相手が家に押し掛けてきたりするおそれもありません。

もちろんバーチャルオフィスで法人登記することも可能です。バーチャルオフィスと登記についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、是非ともお読み下さい、

 

 

最後に、バーチャルオフィスを利用しようかどうか迷っている方に、元法律事務所経営者の弁護士として、アドバイスします。

バーチャルオフィスは、実際にオフィス賃貸するのとは違い、お客さんを事務所に呼んだり実際に会議したりすることは難しいです。

しかし、単にネット上でビジネスをするだけであれば、何の問題もありません。投棄も違法ではありませんし、特商法上の問題もないのです。

それでいて、コストは大幅に削減できます。

また、月々数千円と言えばスマホと同じくらいの金額です。いったんバーチャルオフィスを利用しても、気に入らなければそのとき解約してオフィス物件を借りたら良いだけなので、ほとんど「リスク」がないのです。

迷っているならば一度試してみる方が良いです。そうでないと、後から

「やっぱりバーチャルオフィスの方が良かったかも」

「こんなに費用がかかるなら、バーチャルオフィスにしておくべきだった」

と思って後悔することになりますよね。

 

よかったら、参考にしてみてくださいね!みなさまの起業が成功するよう、お祈りしています。

ABOUT ME
ぴりか
弁護士としての経験を活かして、法律記事を中心にライターとして活躍中。多くの法律系ポータルサイトや法律事務所様などからご依頼をお受けしております。弁護士事務所向けのコンサルタント業務も行っておりますので、お気軽にご相談下さい。 ツイッターで情報発信しているので、お気軽にフォローして下さいね!

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