刑事事件

クレプトマニア|病気で万引きを繰り返す窃盗について

「万引きって言ったら、愉快犯がにやにやが笑いながらものをとっていく悪質な犯罪でしょ?」
そう思われているケースが多いです。

しかし実際には、精神病が原因になっているケースがあります。その場合、ご本人もやめたくてもやめられずにとても苦しんでいることがありますし、周囲の人の理解も得にくいです。
家族も
「どうしたらいいんだろう…」と途方に暮れてしまうことが多い症状です。

実はクレプトマニアは最近問題になっていて、先日NHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられていました。

クローズアップ現代
今回は、精神病で万引きを繰り返してしまう「クレプトマニア」とその場合の対処方法を、元弁護士の立場から解説します。

1.クレプトマニアとは

クレプトマニアとは、精神病が原因となり、病的な衝動によって万引きを繰り返してしまう人のことです。

普通の万引き犯と異なるのは、以下のような点です。

 

  • 精神病が原因である
  • ものがほしいわけではない(利益目的ではない)
  • 何度も繰り返す
  • 自分でも止められないで悩んでいる

 

そもそも、病気が原因という点で普通の万引き犯と異なります。また、利益目的がないので、100円~数百円程度の、価値のほとんどないものを盗ることが多いです。

何度も繰り返すのも、このタイプの万引き犯の特徴です。それは、自分で求められないからです。衝動的に行うので、巧妙な手口も使いません。すぐにバレて捕まってしまいます。

クレプトマニアは、アルコール依存や薬物依存などと同様、依存症の1種です。

それをやらないといてられないという衝動により、自分の意思とは反対に、ものを盗ってしまうのです。



2.クレプトマニアで多い精神病

クレプトマニアで多い精神病は、圧倒的に摂食障害です。

摂食障害とは、拒食症や過食症のことです。

ものを食べられなくなり、どんどん痩せます。芸能人やスポーツ選手などでも、体重制限が原因で摂食障害になる方が多いです。

こうした病気になるのは、女性がほとんどです。

そこで、クレプトマニアも女性が多いです。普通の学生さんや主婦の方、OLさんがクレプトマニアで万引きを繰り返してしまいます。

お金がないからではなく、普段は普通にきちんとした生活をしていても、衝動的に万引きをしてしまうのです。

他に、認知症や発達障害、うつ病などの病気が原因となることもあります。

3.クレプトマニアで万引きを繰り返すとどうなるか?

クレプトマニアで万引きを繰り返す場合、病気だからと行って大目に見てくれることはありません。犯罪は犯罪です。

一回、二回なら見逃してもらえても、何度も繰り返していると、悪質だとみなされて逮捕されます。

そのまま警察の留置場に勾留されて、10日~20日間程度、留置場で過ごすことになります。

最終的には、検察官によって起訴されて刑事裁判になってしまいます。

初犯なら、略式起訴、と言う簡単な裁判によって罰金刑になることが多いでしょう。

しかし、2回目の起訴となると、通常裁判となり、懲役刑になる可能性が高くなります。



4.クレプトマニアかも、と思った場合の対処方法

クレプトマニアの場合、ご本人もご家族も、問題点に気づいていないことが多いです。

まさか精神病が原因で万引きしているとは思わないのです。

病気に気づかないまま、夫婦が離婚してしまうケースなどもあります。

 

もしも自分や家族がクレプトマニアかも知れないと思ったら、すぐに専門機関に相談することをお勧めします。

心療内科や精神科などの医療機関を受診するとともに、カウンセラーを当たってみることも考えましょう。

万引きしてしまうと犯罪になるので、弁護士への相談が必要になることもあります。

クレプトマニアに理解が深く、クレプトマニア対策に力を入れている弁護士もいるので、探して相談してみましょう。
こちらの刑事事件弁護士ナビを利用すると、無料で刑事事件に強い弁護士を探せます。

また、弁護士保険に加入していると、いつでも無料で弁護士に電話相談できますし、何かあったら弁護士の紹介を受けられて、費用は保険から出してもらえるので、万一のときに非常に心強いです。

今はどのような方でも刑事事件に巻き込まれる可能性がある時代です。

クレプトマニアはもちろんのこと、犯罪に巻き込まれたときに備えて、一度、無料の資料請求だけでもしてみることをお勧めします。

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福谷陽子
弁護士としての経験を活かして、法律・不動産の専門記事を執筆。多くの法律事務所様や不動産会社様、法律・不動産系メディア様からご依頼をお受けしております。 難しい法律や税務、不動産の知識をわかりやすく伝えるのがモットー。 何より目指すのはお客様の利益です。

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