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【実体験】旧司法試験の難易度、合格のための勉強方法【必携の本、グッズも紹介】

私は元弁護士なので、過去に司法試験に合格しています。

旧司法試験なので今の制度とは異なりますが、今回はそのときの試験制度や勉強方法、勉強時間などを書きます。

これから司法試験を受験しようというあなたにとっても役立つと思います。

使って良かったと思う本や、他に勉強に効果的だと考えられるものもご紹介しますので、よかったら最後までお読み下さい。

1.司法試験について

まず前提として、司法試験について基本的なことを説明します。

司法試験は、現在のものと過去のものとでかなり異なります。昔の試験を「旧司法試験」現在のものを「新司法試験」ということも多いです。

調べてみると、旧司法試験は2011年まで行われていたようです。

新司法試験は、基本的にロースクール(法科大学院)を出ないと受けられない仕組みになっていますが、昔はそのような制限がなく、中卒の方などでも司法試験に合格して弁護士や裁判官になることができました。

また、旧司法試験と新司法試験では難易度も全く異なります。

旧司法試験の場合には確か合格率が3%くらいだったと思うのですが、新司法試験では22.9%だったそうです(2017年)。

なので、旧司法試験の方がとても難しかったのであり、旧司法試験で合格した人は、新司法試験で合格した人のことを、「たいしたことない人たち」と思っているフシがあります(別に私はそういうことは思っていません。そんなのはどっちでも良いことだと思います)。

私は旧司法試験時代の人間なのですが、旧試験と新試験では試験制度そのものが全く異なるので、私のこれから書く内容は、今から司法試験を受けようとする方にはあまり参考にならないと思います。ご注意下さい。

2.旧司法試験の仕組み

次に、旧司法試験の仕組みをご説明します。

旧司法試験は、5月に「択一試験」、7月に「論文試験」、10月に「口述試験」という3段階の試験でした。

択一試験は憲法、民法、刑法について5つの選択肢から正解を選ぶマークシートの試験、論文試験は憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法の6つの法律について論述形式で答える試験で、口述試験は、試験管と面接をして法律的な質問に答える試験です。

択一に落ちたら論文を受けられませんし、論文に落ちたら口述を受けられません。

つまり旧司法試験に合格するには、択一→論文→口述のすべてに合格する必要がありました。

3.1年目

私は、大学3年のときに司法試験に落ちて、4年のときに最終合格しています。

そこでまずは、1年目の勉強方法をご紹介しますね。

3-1.択一前の生活

私は大学2年の途中から司法試験の勉強を始めたために、1年目にはあまり勉強の時間が取れませんでした。そこで、択一試験前は必死に過去問ばかりを解いていました。1日8時間くらい過去問を解き続けて「頭の中が沸いてくるのでは?」という感じでした。

当時は京都に1人暮らしをしていたため、誰とも話すことがなく一日中択一試験の過去問を解き続ける日々が3か月くらい続き、気が狂いそうでした。

テレビの線は抜いて一切見ないようにしました。

毎日朝8時に起きて朝食をとって択一試験の過去問を解き始め、昼ご飯を買いに行って12時になったら家でご飯を食べます。

12時から1時の1時間だけは「音楽を聴いても良い時間」にしており、当時好きだった椎名林檎の歌を聴きながら(「罪と罰」とか「闇に降る雨」とか)、さらに気が狂いそうな気持ちになっていました。

そして午後からも択一試験の過去問を解き続け、夕方少し散歩に行って帰ってご飯を食べる、みたいな生活でした。

1日8時間くらい勉強していたと思います。

3-2.論文前の生活

1年目、択一試験には合格したので、論文試験の勉強を始めました。この時期には、司法試験の予備校で「答練(答案練習会)」という模擬テストのようなものが行われるので、そういうのに通って、後の時間はひたすら過去問とか答練の問題を解きまくりました。

やはり択一前と同じように、「1日1時間だけ(椎名林檎の)音楽を聴いても良い」というストイックな生活を続けました。ほとんど人ともひと言も話さない生活でした。

こんな閉鎖的な生活だったので、論文試験が終わると、あまりの解放感に精神状態がおかしくなって、人と話せなくなってしまいました。というか、やたらと笑いが止まらなくなったり涙もろくなったりして、明らかに変なテンションでした。

ただ、しばらくすると治ったので、やっぱり人間は人と関わらないとダメなんだなぁ、と実感した覚えがあります。

なお、合格発表が9月ころにあるのですが、さすがに付け焼き刃の知識では対応できず、1年目は論文に落ちました。

4.2年目

さて、2年目です。私は4年の時に司法試験に合格しなかったら辞めようと思っていたので、このときは本当に合格せねば、と思っていました。

4-2.択一前の生活

択一前の生活ですが、1年目に比べると明らかにやる気が低下していました。1年目は知らないことばかりでインプットも多かったのですが、2年目になると過去問はほとんど覚えてしまいましたし、それを繰り返しても刺激がなく、勉強し続けることができませんでした。

勉強時間も減ってしまい、1日4時間くらいしかやっていなかったように思います。

なんとなくダラダラと生活していました。(もちろん勉強はしてましたが)。

4-3.論文前の生活

択一試験は合格したので、次は重要な論文試験です。

ところが私はやはり2年目になってぐだぐだになっていたので、1年目ほどは集中してがんばれませんでした。しかし、そんなことも言っていられないので、1年目と同様に、答練や過去問の問題を解き続ける生活をしていました。ちなみに2年目は家族と一緒に暮らしていたので、誰とも話さないということはなく、多少人間らしい生活になっていました。

論文試験前も1年目ほど勉強できず、めんどうなので4~6時間くらいだったと思います。

試験会場に行くと、周囲の人が「1日8時間とかそれ以上勉強していた」などと言っているので「やばい!私は大丈夫なのか?」とめちゃくちゃ不安になりましたが、そのようなことを言っていても仕方が無いので、開き直って試験を受けました。

5.口述前の生活

2年目、論文試験の発表を見に行くと、私の番号がありませんでした。そのときには死にそうな気持ちになりましたが、よく見ると見落としており、合格していたのです。このときは「よっしゃー」と思い、嬉しかったです。

というのも、旧司法試験の場合、論文試験さえ通ったら口述は9割以上受かるので、論文試験に合格したということは、ほとんど最終合格したようなものだからです。

口述前は、当時の友人の方などと口述ゼミを開いて勉強したり、過去の口述の過去問を見たりして、ダラダラと過ごしていました。

結果、口述試験にも合格し、ようやく司法試験に受かりました。

6.合格後の1年間

なお、私はすぐに修習に行かず、1年間修習を遅らせてパン屋でバイトしたり海外旅行をしたりしていました。

「なぜ、司法試験に合格したのに、パン屋でバイトしたのか?」

とよく聞かれますが、単純に「昔から働いてみたかったから」です。

周りの人(特に他の修習生)には

「意味が分からない」

と言われましたが、私の中では全く違和感なく、楽しかったです。

海外旅行にいろいろ行ったのも良かったです。

しかし、このように、1年遊んで暮らしてしまったために、実際に修習に行ったときにはあまりに研修所の勉強にやる気が起こらず、常に居眠りしてばっかりで毎日忘れ物をして、課題はやらないというめちゃくちゃな修習生でした。

7.使って良かったと思う本

当時はいろいろな本や答練の素材で勉強していましたが、今でも使っている秀逸なテキストがあります。

それは択一六法です。

択一六法とは、憲法民法刑法の択一試験にでる試験科目の逐条解説本です。

択一試験に出る細かい情報が網羅されていて、とても詳しいです。

私は今、法律ライターをやっていて民法を調べることも多いのですが、これを今でも愛用しています。

民法が改正されたら新しい物を買うつもりです。

これから受験されるなら、必携と思いますので、これから受験されるならぜひ入手してみて下さい。

2019年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 民法【逐条型テキスト】<条文・判例の整理から過去出題情報まで> (司法試験&予備試験対策シリーズ)


2019年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 憲法【逐条型テキスト】<条文・判例の整理から過去出題情報まで> (司法試験&予備試験対策シリーズ)


2019年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 刑法【逐条型テキスト】<条文・判例の整理から過去出題情報まで> (司法試験&予備試験対策シリーズ)


2018年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 商法 (司法試験&予備試験対策シリーズ)


2018年版 司法試験&予備試験 完全整理択一六法 行政法 (司法試験&予備試験対策シリーズ)

8.試験に合格するために必要な勉強環境

試験に合格するためには、勉強するための環境が重要です。

机も大切ですが、私は椅子が最重要と考えています。

椅子の座り心地が良くて身体に合っていたら、疲れないので集中して長時間勉強できます。

長時間勉強するのに、椅子が悪いものだと疲れが溜まって体調も悪くなり、頭に必要な知識が入ってきませんし、理解も進みません。

私は今「ゲーミングチェア」という椅子を使っていますが、こちらが本当に秀逸です。

普通のデスクチェアをはまったく異なっていて、とことん身体にフィットしますし使い心地が最高で、いつまででも仕事ができます。

疲れたときには、完全リクライニング(180度)で休めるので、仮眠もできる気配りがあります

関心があったら、次の記事でご紹介しているので、是非読んでみて下さいね。

【症状別】デスクワークで疲れない椅子の選び方!【ゲーミングチェアで腰痛・肩こり防止・集中力アップ】

こちらがゲーミングチェアです。
腰、背中に沿ったラインでぴったりフィットしますし、アームレストも自在に動くので腕が驚くほど楽です。ヘッドレストもついていて全身を包み込んでくれるので、私も「もう手放せない!」ってなってます。

あなたも、「勉強の効率が上がらないなぁ」と感じているなら、是非ともお試し下さいね!

 


AKRACING エーケーレーシング デスクチェア ゲーミングチェア NITRO-RED 赤色

司法試験を目指すなら、法曹資格に強い資格スクエアなどを利用されてもよいかもしれません

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ABOUT ME
福谷陽子
弁護士としての経験を活かして、法律・不動産の専門記事を執筆。多くの法律事務所様や不動産会社様、法律・不動産系メディア様からご依頼をお受けしております。 難しい法律や税務、不動産の知識をわかりやすく伝えるのがモットー。 何より目指すのはお客様の利益です。

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