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【実例で比較】弁護士と会社員の年収、労働時間、福利厚生、充実度、結局どっちが得なのか?

弁護士になったけれど、大手の会社員になった方がよかったかな…」

「会社員を辞めて弁護士になったけれど、また会社に戻る人もいる」

「事務所弁護士がしんどいので、企業内弁護士になろうかな?」

 

弁護士になったあなたも、ときどき「会社員」と比較してしまいませんか?

 

実際、弁護士と会社員、どっちが得なのでしょうか?

 

今回は、実例をもとに弁護士と会社員の年収や福利厚生、充実度などの点で比較してみたいと思います。

 

基本的には弁護士を辞めない方が良いと思いますが、辞めて会社員になった方が良いケースがどういう場合かも書いてあります。

知りたい場合には、是非とも内容をお読み下さいね。

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1.弁護士と会社員の比較をする理由

弁護士は、かなりのハードワークです。

旧来は収入が高いと言われていましたが、今では特に若手の先生方の場合、収入が多くないことも多いといいます。

「こんなことなら、始めから大手企業に就職しておけば良かったかな」

と思ってしまいますよね。

また最近では企業内弁護士の選択肢もあります。

実際に、「弁護士と大手企業に就職するのと、どちらがいいんだろう?」とツイートされている先生もおられました。

Facebookでも、私の以前の記事を読んで、

「ストレスとかじゃなくて、弁護士と他の職業の比較をしてほしい」

と言っている弁護士の先生を見かけました。

これがその記事です。↓

 

これをみて、私はハッとしました。

みんな、会社員と弁護士の比較を知りたいんだと。

それなら、私にわかる範囲でやってみたいと思いました。

幸い私は元弁護士で、弁護士業務のことをよくわかっていますし、私の父や夫は会社員で、会社員のこともよく知っているので、その知識をもとに両者を比較することにしました。

 

2.年収

やっぱり仕事を比べるときには、収入が重要ですよね。弁護士と会社員、どっちが収入が多いのでしょうか?

 

収入については、両者ともかなりピンキリです。

一般的には弁護士の方が多いと思われていますが、本当でしょうか?

2015年に日弁連が発表したアンケート結果によると、弁護士の平均年収は900万円となっています。

一方会社員の年収をみてみましょう。

2015年に発表されたデータによると、男性平均は511万円、女性平均は272万円だそうです。

 

…しかし、このような「全体の平均」にあまり意味はありませんよね。

弁護士が企業に就職しようという場合、大手や好待遇の会社しか狙わないはずだからです。

 

実際大手なら弁護士の収入より高いのでしょうか?

 

実は大手であっても年収900万円を超えるのは簡単なことではありません。

金融系や商社などでは平均年収が1000万円を超えますが、それ以外では大手であっても1000万円を超えないことが多いです。

大手企業225社でアンケートを採ったところ、平均年収が745万円だったというデータもあります。

 

また、弁護士は900万円とはいっても人によって本当に違いますよね。

稼いでいる人は2000万、3000万円やもっと多い人も普通にいますし。

会社員でそこまで稼ぐのは無理でしょう。

 

なので、稼いでいる弁護士の場合には、確実に会社員より高所得です。

 

反対に、稼げていない弁護士さんは、大手に就職した方が収入が上がる可能性があります。

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3.労働時間

次に労働時間を比較してみましょう。

 

弁護士は、自営業なので労働時間は無制限です。自分で事務所経営している場合、土日祝日でも平気で出勤してしまいますよね。台風でもわざわざ出勤して事務所で待機したり仕事をしたりしている先生も多いはずです。

夜中まで働くのも普通です。

労働時間だけ数えてみたら、恐ろしいほどの長時間労働になっていることもありますよね。

 

これに対し、会社員には労働基準法が適用されるので、労働時間は圧倒的に短くなると思います。

たとえば最近のホワイト企業などでは残業規制がかかっていて、残業はとても少ないです。

家が遠くても毎日早い時間に帰れますし(もちろん給料は下がりません)、月1回くらいは有給をとって趣味の時間に費やすことが可能です。

 

台風が来たらすぐに帰宅命令が出て帰れて安心ですし、ワークライフバランスを実現できます。

 

なので、労働時間的には圧倒的に会社員がいいな。と感じます。

自営業だと、自分で仕事に区切りをつけない延々働いてしまうので、労働時間がエンドレスでブラックです(私は弁護士の頃、休日に依頼者が携帯に電話をかけてくるのがめちゃくちゃストレスでした)。

 

4.福利厚生

さて、次は福利厚生です。

弁護士の場合、福利厚生はありませんね。

勤務弁護士であっても労働基準法など無視ですから、健康保険も厚生年金もありません。

長年働いても退職金ももらえませんし、雇用保険も適用されないので、労災に遭っても補償はありません。

 

これに対し、会社員はめちゃくちゃ手厚いです。

健康保険や厚生年金は会社が半分負担してくれますし、会社が提携している各種のサービス(旅行会社や引っ越し会社とか、勤務先によっていろいろだと思います)で割引きも利用できます。

退職するときには、多額の退職金が支給されますし、老後は厚生年金が出るので国民年金しかない弁護士とは全然違いますよね。



5.がんばりが報われるかどうか

仕事は、がんばったことが報われる方が良いですよね。

弁護士と会社員、どっちが努力を評価されやすいのでしょうか?

 

弁護士は、自営業なので自分が頑張ったら頑張るだけ、収入が増えます(ただし、仕事がある限り、ですが)。

儲からないときは儲からないですが、入ってくるときはめちゃくちゃ入ってきますよね。

入ってきたお金は、全部自分のものにできるのも魅力です。

 

これに対し、会社員はどんなにがんばってもそんなに給料が変わらないです。

自分ががんばっても儲かるのは会社であり、自分の給料には直結しないので、割とやる気がなくなります。

変な上司に当たった場合、優秀な人でも全然評価されないこともあり、結構不合理です。

 

6.安定性

弁護士は自営業なので、収入が安定しないです。

儲からないときは全然お金が入ってこなくて不安になることもありますよね。

 

これに対し、会社員は絶対的に安定しています。

おまけに夏冬ボーナスがありますし、退職金までもらえるので、人生で不安を感じることがありません。

これは結構スゴイ魅力です。

 

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7.充実度

さて、やっぱり仕事には充実度を求めたいです。

何が充実かというと難しいですが、私は以下のような点に注目します。

 

弁護士の場合、困り切っている人を救うことに何よりやりがいを感じられます。

「自分だけしかこの人を助けられない、自分ががんばらないとこの人を救えない」

始めは死にそうな顔をして相談に来られた方が、だんだんと元気になっていき、最後には晴れやかなお顔をして帰って行かれるときは、私にとって、一番嬉しい瞬間でした。

 

会社員の場合、こんな充実感はありません。歯車の1つに過ぎません。

自分の仕事が全体の中でどのような役割を果たしているのか見えなくなって、充実感をまったく感じられない人もいます。

ただ

「会社員には仲間ができるのでいいなぁ」

と思います。

私は事務所をひとりで経営していてワンオペ経営でしたし、誰かと一緒にやっていても、弁護士の仕事は基本ひとりでやります。チームワークでする仕事は少ないですよね。

 

会社員は、「部」や「課」があってチームで業務に取り組んでおり、けっこうみんな和やかにワイワイやってるみたいです。

同僚や上司部下のプライベートも含めていろいろな話を聞けますし、誰かが結婚したり引っ越ししたりすると、みんなで贈り物をしたりお祝いを渡したりして、仲良くできます。

仲間意識や連帯感が生まれるのは、良いなぁと思います。

 

弁護士の充実感と会社員の充実感は、全く別の性質のものです。

どちらに充実感を感じられるかは、人によってかなり異なるように思います。



8.会社員を選ぶべき場合とは?

私は基本的に弁護士を辞めた方が良いとは考えていないのですが、会社員にも良い所があるのは確実です。

たとえば女性で妊娠出産する場合、自分で事務所を経営しているとかなり大変です。

不可能ではないかも知れませんが、努力と工夫が必要ですし、多大な負担がかかります。

会社員なら産休や育休をとらせてもらえますし、仕事を失うおそれもありません。

 

また、全く稼げていなくて辛い場合、安定を求めたい場合、弁護士の仕事が明らかに向いていないと感じる場合などには、会社員への転職もありだと思います。

ただ、現在稼げていないのは、営業方法が不適切な可能性があります。
最近の人はネットで弁護士を探すので、ネットを使った集客チャンネルは不可欠です。
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今回の記事の内容が、あなたのこれからの人生に、少しでもお役に立てましたら幸いです。

ABOUT ME
福谷陽子
弁護士としての経験を活かして、法律・不動産の専門記事を執筆。多くの法律事務所様や不動産会社様、法律・不動産系メディア様からご依頼をお受けしております。 難しい法律や税務、不動産の知識をわかりやすく伝えるのがモットー。 何より目指すのはお客様の利益です。

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