労働問題

医師(勤務医)のブラック労働は違法?元弁護士が解説!

「勤務医って、めちゃくちゃ働かされているから、時給にしたらかなり安いよね…」

「残業代ももらえていないし、ブラック病院で違法なのでは?」

多くの勤務医の医師の方は、そのような疑問を持たれているのではないでしょうか?

今回は、医師の労働の実態と、違法となる判断基準について、解説します。

1.医師の労働実態はブラック!

勤務医の医師の労働の実態は、かなりブラックです。

夜勤も多いですし、1日の労働時間も非常に長時間です。

医師には労働基準法が適用されないと思われていることもありますが、そのようなことはありません。

医師も病院と雇用契約を結んで働いている以上「労働者」ですし、労働基準法が適用されます。病院が適切に労働基準法を守っていないと違法です。

1-1.労働基準法による規制内容

「労働基準法って、どのような規制内容になっているの?」

まずは、労働基準法がどのような規制をしているのか、みてみましょう。

労働基準法では、基準となる労働時間の限度(法定労働時間)を定めています。

それは、以下の通りです。

  • 1日8時間、1週間40時間

 

これを見て「嘘だろ?」と思った医師の方も多いのではないでしょうか?実際の勤務医師の方の多くは、これを遙かに上回る労働をされているからです。

実際、日本の病院の常勤医師で、労働基準法の上記の時間内だけにおさまっている方はほとんどいないでしょう。

1-2.残業は違法?

労働基準法が限度となる法定労働時間を定めているならば、それを超えて働かせることは違法になるのでしょうか?

実際には、そういうわけではありません。労働者との間で36協定という協定を締結していれば、時間外労働(法定労働時間を超える残業)をさせること自体は可能です。

1-3.残業代不払いの問題

問題になるのは、残業代不払いのケースです。病院では、勤務医師に残業をさせても、きちんと残業代を支払っていないことが多いです。

また、36協定で定めた上限以上に働かせることも違法です。

残業代不払いや36協定を無視した残業の強制などの違法行為をすると、病院には罰則も適用されます。

1-4.過労死ラインとは

あまりに勤務医師の方の時間外労働が多い場合「過労死」にも注意が必要です。

過労死は、長時間労働などの過度な負担により、身体の状態が悪化して心疾患や脳疾患によって死亡してしまうことです。

一般的、過労死ラインは「月100時間以上の時間外労働」と言われています。

また、「月80時間以上の時間外労働が恒常的に続いている」場合にも、過労死の可能性が高まるとされています。

これらの無茶な働き方によって死亡した場合には、労災認定もされます。

実際には、病院でこれらの過労死ラインを超える時間外労働をさせているケースも多いですし、労働基準法違反で処罰をされたブラック病院も少なくありません。

 

しかし、死亡してから遺族に労災による補償が行われたところで、何の意味もありません。

そのようなことになる前に、ブラックな病院で働き続けている状態を改善する必要があります。




2.勤務医師がとるべき違法なブラック病院への対処方法

それでは、勤務医師が違法なブラック病院に勤務しているとき、具体的に何から行えば良いのでしょうか?

2-1.労働基準監督署に通報する

まずは、労働基準監督署に通報することが考えられます。労基署は、管内の事業所がきちんと労働基準法を守っているかどうかを監督する機関です。労基法が守られていない場合には、きちんと守るように勧告します。これにより、病院の態度が改まり、勤務医師にきちんと残業代を払う用になる可能性があります。

2-2.残業代を請求する

労基署に通報しても病院の態度が変わらない場合、勤務医師の方が自分で直接病院に未払いの残業代を請求することが考えられます。

ただ、勤務中は残業代を請求すると関係が悪化してしまい、勤務を継続することが難しくなることもあります。そういった場合には、別の病院に転職後、前の病院へ残業代請求するのが効果的です。
残業代請求で弁護士を探すなら、こちらのサイトを利用すると、地域の残業代請求に強い弁護士を紹介してもらうことができます。料金は無料ですので、一度利用してみて下さい。

また、弁護士保険に加入していると、弁護士に電話で無料相談できますし、弁護士費用を300万円まで出してもらえるので、よかったら加入を検討してみて下さい。まずは、無料で資料請求されてみると良いと思います。

2-3.勤務医師が転職する方法

勤務医師の方がブラック病院で過重労働をしている場合、病院に残業代を請求するとしてもしないとしても、そのままの状態では命を縮めてしまいます。

その場合、ブラックではない、より良い条件の病院に転職することが1つの対処方法となります。

幸いなことに、医師の資格があれば、転職先に困ることはありません。ただ、どのような病院に行くかが重要です。今度こそは、ブラックではない余裕のある働き方のできる病院に行く必要があります。

しかし、勤務医師の方が病院で忙しく働きながら、次の病院を探すのは非常に困難です。条件や病院の雰囲気、勤務内容などを調べようとしても、なかなか必要な情報を集められません。

そこで、医師専用の転職エージェントを利用することをお勧めします。

こういった転職エージェントを使うと、医師お1人お1人に担当のキャリア・コンサルタントがついて、個別のケースに応じた転職先を探してくれます。

希望する条件の病院を探すことができますし、病院の雰囲気や勤務内容なども確認できます。

自分で動かなくても、キャリア・コンサルタントが動いて情報を集めてくれますし、病院との交渉や折衝、諸手続などをしてくれるので、医師ご自身は忙しく働いていても転職活動を進めることが可能です。
たとえばこちらのサービスを使うと、専任コンサルタントが付いて非公開の求人情報から最適な病院を選び出してくれます。もちろん、費用はかかりません。常勤からも非常勤からも選べます。

私は元弁護士ですが、医師の方が大変忙しく、身を粉にして働いていることはよく存じています。私自身もかなりの過労だったので、その辛さは身に染みて知っています。

無理をして、自分の身体を壊してしまっては、何の意味もありません。そのようなことになる前に、早めに今の環境を変えて、より生きやすい病院へと移られることを、心よりお勧めします。

ABOUT ME
福谷陽子
弁護士としての経験を活かして、法律・不動産の専門記事を執筆。多くの法律事務所様や不動産会社様、法律・不動産系メディア様からご依頼をお受けしております。 難しい法律や税務、不動産の知識をわかりやすく伝えるのがモットー。 何より目指すのはお客様の利益です。

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