フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol1
以前にオウム真理教の教祖、麻原彰晃死刑囚ら7名の死刑執行について書いたところだったのですが、今回、その遺骨引き取りについて問題が起こっているようです。
国側は四女に引き渡そうとしているのですが、四女本人は拒絶しているので、今後どのように取り扱われるのかが注目されます。
1.麻原彰晃の子どもについて
私はもともと麻原彰晃(本名 松本智津夫)氏の子どもや親族関係などには全く関心がありませんでした。「アーチャリー」という人がいるらしい、という程度です。
ところが今回麻原彰晃ら7名の死刑執行されたことがきっかけで、Twitter上で麻原彰晃の娘に対する攻撃や擁護の応酬があって、多少関心を持ち、少し調べてみました。
すると、麻原彰晃には4人の子どもがいるようで、中でも三女と四女の対象的な言動を興味深いと感じました。
1-1.三女はオウム真理教、麻原彰晃に親和性あり
三女の方は、比較的麻原彰晃やオウム真理教に親和性があるようでした。どこまでの気持ちがあるのかはわかりませんが「オウム真理教にも良いこともある」という趣旨のことを述べられていました。私は賛同できないな、と感じました。
1-2、四女はオウム真理教、麻原彰晃に強い拒絶感
四女の方は、麻原彰晃氏に対し、悪いイメージしかないということでした。生まれたときから彼は「父親」ではなく「教祖」であり、小さい頃から「修行」という名目で虐待的な取扱いも受けていたようです。
麻原彰晃とは縁を切りたいので、「相続人の廃除」という申立をわざわざ家庭裁判所で行っています。相続人の廃除とは、親子などが互いに相続権を失わせることです。
日本の戸籍制度では「縁切り」が不可能です。そこで、せめてもの対処として、相続関係だけでも断ち切りたいと、四女の方は相続人の廃除の申請をして許可されたそうです。
また、四女の方は「私は麻原彰晃とは関わりたくないし、縁を切る制度を作って欲しい。それでも戸籍も消えないから、一生結婚すらできない」とおっしゃっておられるそうです。
これを聞いて、私はとても気の毒に思いました。
1-3.2人の娘の温度差の原因は
私は、三女の方と四女の方の認識の違いにも考えさせられました。これは、きっと生まれた年の差なのでしょうね。三女の方が生まれたときにはまだ多少父親らしいところもあったのかもしれませんが、四女の方が生まれたときにはすっかり「教祖」になり、人間らしいところを失っていたのかも知れません。
2.麻原彰晃の遺骨引き取り問題について
2-1.国が四女に麻原彰晃の遺骨引き取りを求める理由とは?
今回、国は麻原彰晃の遺骨を四女に引き取るように求めています。
四女は麻原彰晃との関係を断ち切りたいと言っている人なのに、いったいどうしてなのでしょうか?
実際に、麻原彰晃の親族一同は、四女も含めて「遺骨は麻原彰晃の妻に引き取らせて欲しい」と希望する書面を国に提出していたのです。それでもわざわざ四女に引き取るように言っているのですから、謎です。
その答えは「麻原彰晃本人が希望した」ということにあるようです。
国の規定では、遺骨の引き取りについては、家族の希望よりも本人の最後の意思を尊重する、ということになっているそうです。
それで、麻原彰晃は、四女に引き取って欲しいと希望したため、今回四女への引渡しが検討されたようです。
2-2.四女は遺骨引き取りを拒絶
しかし、このような話はめちゃくちゃですよね。四女の方は忌み嫌っている麻原彰晃の遺骨など受け取りたくないでしょう。
実際に、四女の方は「遺骨を引き取ると身の危険が及ぶ」という理由で、受け取りを拒絶したそうです。
また、三女の方は三女の方で「遺骨の全部を引き取れないとしても、一部でも分骨して欲しい」と希望しているそうです。
めちゃくちゃ複雑ですね…。三女と四女の温度差がすごいと感じます。
2-3.麻原彰晃の神格化を恐れる国の思惑もあるのでは?
ただ、国が四女に引き取りを求めているのは、単に麻原彰晃が死ぬ間際に希望しただけではないように感じます。
オウム真理教に親和性のある妻や三女などの親族に引き渡すと、麻原彰晃が神格化されて、教団の勢いが強まる事を懸念しているのだと思われるからです。
この点、オウム真理教や麻原彰晃に反感を持っている四女に引き渡せば、そうした危険を避けやすいです。
しかし、そのようなことは、四女にとっては大変な迷惑です。その点、もう少し考えてあげないといけませんね。親族だからと言って、そこまでの不利益を与えて良いことにはならないはずです。
なお、こちらについては結局四女が引き取って海に散骨するという話が進んでいるようです。その際にも、信者などから奪還のための襲撃などを受けないように警備すべきという話になっているらしく、大変ですね。
3.相続問題は、どのような家庭でも大変だが…
相続が起こったときには、一般の家庭でもさまざまな問題が起こるものですが、このような大事件になると一般の非ではありませんね。
法的トラブルに巻き込まれたときに頼れるのは弁護士だけですから、もしものときに備えて、弁護士保険に加入しておきましょう。
資料請求は無料なので、よかったら一度取り寄せてみて下さい。
フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol2
フリーランスのための法律を元弁護士が解説!vol3